アルカリ性単純温泉について

2011.11.19

アルカリ性の湯が石けんと同じ役割を果たすため、皮膚表面の古い不要な角質をふやけさせて落としやすくする。そのため源泉に浸かると、肌がつるつるすべすべしてくる。この「つるすべ」感は、湯を指先で揉んでみると実感できるだろう。これで新鮮な源泉かどうかを確かめられる。ただし、清掃が行き届いていない場合の湯のぬめりとは全然異なるので、勘違いしないでほしい。同じアルカリ性単純温泉でも、源泉によって感触は違ってくる。

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最近増えた1000メートル以上も深く掘削した温泉だと、湯に硬質感がある。自然湧出泉や、掘削してもせいぜい地下数十メートルで自噴できる源泉では、湯がこなれて柔らかく感じられ、肌にしっくりくる。このしっくりタイプは、福島県の阿武隈山地から太平洋岸いわき市周辺の伝統的な湯治場に多い。湯岐温泉や志保ノ湯温泉は代表格である。アルカリ性単純温泉が多い山梨県でも、笛吹川渓谷に並ぶ川浦温泉、三五度の源泉が岩間から自然湧出する山梨市の岩下温泉が九・九で二六度の源泉掛け流し風呂を一部持つ裂石温泉、毎分五〇〇リットルもアルカリ性溺九・四の鉱泉が湧出するか砂温泉などは、このしっくりタイプだ。公共日帰り温泉施設だが、「日本有数のアルカリ性泉」とうたう白根町の白根天恵泉温泉は、一〇・六。二八度のぬるい源泉掛け流しで、飲泉できる木造り湯船がじつに心地いい。三富村の「笛吹の湯」と、大和村のやまと天目山温泉も心地いい源泉掛け流し露天風呂がある。ただし、アルカリ性が強い温泉の場合は、皮膚のバランスも考慮したい。健康な人の肌は五〜六の弱酸性に保たれている。アルカリ性の温泉に入っても、肌の緩衝作用によって肌の溺バランスはふつうすぐ回復する。しかし肌の緩衝作用が弱い人は、強アルカリ性の温泉に入った後は、真水で洗い流したほうがいいようだ。これは強酸性泉に入ったときも同じである。アルカリ性の温泉では、石けんを使ってからだを洗う必要はない。洗いすぎになって、かえって肌が乾燥し、かゆみを引き起こすことになる。





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